郷土館日誌
昭和の初めごろのこいのぼりを展示しています
地域の方から、蔵で見つかった昭和の初めごろの「こいのぼり」をいただきました。長さ約6mの「まごい」と約4mの「ひごい」の、とても大きなこいのぼりをミューゼレスポアールの窓際に展示しています。
明日からGWが始まります。新緑が美しい季節になりました。4/27~29、5/3~6のGW中は、郷土館は旧平賀邸とミューゼレスポアールを無料で開放しています。こいのぼりを見に、お子さん連れでぜひお越しください。
復元された新しい鬼瓦の取り付け作業が始まりました
12月に取り外された旧平安邸の主屋の鬼瓦が、淡路島で復元されて新しくなり、本日取り付け作業が始まりました。
波と雲を表したとても大きな鬼瓦は旧平安邸のシンボル的存在です。新しい鬼瓦は「あし」の部分が4分割、「あたま」の部分が3分割、計7分割されています。(元の鬼瓦は5分割でした)
7つを合わせると、幅約2m、重さ約100㎏のとても大きな、立派な鬼瓦になります。
部分ごとに順にクレーン車で屋根の上まで運ばれました。
5人の職人の方が、取り付け場所で、まず「あし」の一番下の部分を両側に置いて、黒いホルマル樹脂被覆銅線でくくりつけて固定されました。
その上に「あし」を置き、「あたま」の下の部分を重ねて置いて、ボルトを穴に入れて固定していきます。
最後に一番上の「あたま」の部分を置きます。
そして鬼瓦が倒れないように「あたま」と棟木につけたボルトを、黒い樹脂の銅線でくくりつけて固定します。
鬼瓦が下から見て美しく見えるように、破風の中央と鬼瓦の中央が縦にまっすぐに揃うように、
鬼瓦の両側が水平になるように何度も水平器で図りながら、重い瓦を一つ一つ調整しながら合わせていっています。
今日は西側の鬼瓦が棟の上に上がり、明日は東側の鬼瓦の作業が進められます。
蔵の中の耐震補強工事
3月からは蔵の中の耐震補強工事が続けられています。
北蔵や乾蔵の1階は展示室として活用されており、四隅には火打梁(ひうちばり)という斜めに組まれた耐震補強材が取り付けられました。
サイズを測ってぴったりと合うように、何度もかんなをかけて調整され、古色が塗られて取り付けられました。
また、金剛組の方には、木造家屋を建築する際に木材を組み合わせるときの組手である仕口(しくち)や継手(つぎて)について見本を使って説明していただきました。
大正時代に建てられた平安邸が100年以上経っても頑丈に維持されている、古来からの在来工法の仕組みについて教えていただきました。
主屋の屋根工事
今週から主屋の屋根の工事が始まっています。大きな屋根全体を覆うように、作業をするための足場がたくさん作られました。
12月に鬼瓦が取り外され、現在は最上段の陸棟(りくむね)の解体が進められており、大量の熨斗(のし)瓦や葺き土が取り除かれています。
解体時には、瓦を留め付けている建築当時(100年以上前)の棟木(むねぎ)が確認されました。長年の雨水の侵入により、原形をとどめないほど不朽していました。
今日の夕方には、積まれていた熨斗瓦や葺き土がすべて取り除かれました。
主屋や蔵、納屋の屋根の修繕工事が始まります
離れや北蔵などの工事に続いて、主屋や南・東方面にある巽蔵、大納屋、長屋門などの屋根の修繕工事を中心とした耐震補強工事が行われることになっています。現在、工事のための足場が作られています。
瓦を外して土を取り除いたり、破損した瓦は取り換えるなどの作業が行われていきます。
普段は掲示板が付けられている薬医門も修繕されるために開けられました。
桜満開 お花見にどうぞ
郷土館のアトリエ平通前の桜 ソメイヨシノが満開となりました。昨日の雨風で心配しておりましたが、見事に咲いています。
ミューゼレスポアールへの通路のしだれ桜も美しく咲いています。
先日ボランティアの方が植え替えてくださったミューゼの窓際の芝桜も咲いています。
今週が見頃となり土日は無料開放になりますので、洋館の平賀邸や美術館のミューゼレスポアールの見学とともに、お花見や写真撮影などにお立ち寄りください。
離れ・蔵の屋根・壁・雨樋の修復工事 完成
昨年の11月から続けられてきた離れや蔵(北蔵・乾蔵・西納屋・西蔵)の屋根、壁、雨樋などの修復工事が完成しました。離れや蔵は、重くなった屋根の古い瓦やその下にあった杉皮や土がすべて取り除かれて、
小屋組の梁や垂木が補強されて、
取り付けた構造用合板の上に、たくさんの新しい瓦が丁寧に葺かれています。
棟瓦や波と雲を表した新しい鬼瓦(前方)も取り付けられました。
緑青の銅板は取り外され、深緑色のステンレス製鋼板が取り付けられました。既設の銅製の雨樋は穴が開くなど経年劣化しているため、内樋を入れて当時の姿を残しています。
取り外された銅板の裏は、酸化していない当時の輝きが残っています。
長年の劣化や雨風で漆喰が剥がれた壁も補修し、美しくなりました。
来週には離れや蔵を覆っていた大屋根や足場が撤去されるため、金剛組の方が修復したところを一つ一つ分かりやすく説明してくださいました。
時間と手間をかけて丁寧な作業が続けられています。次は大きな主屋の屋根の瓦の修復、小屋組、台所、事務室等の耐震補強工事が行われていくことになります。
バラ・ハーブボランティア
昨日ボランティアの皆さんと職員全員で、平賀邸周りの庭のバラやハーブの剪定や草ぬきなどの手入れを行いました。
ミューゼレスポアールの窓際のスペースでは、草ぬきをしながらシバザクラの植え替えを行いました。
寒暖差の激しい毎日が続きますが、もうすぐ暖かくなって、桜(ソメイヨシノ、しだれ桜)やハナミズキなどの花が咲き、新緑の季節を迎えます。庭のバラやハーブ、シバサクラも彩りを添えてくれることでしょう。ボランティアの皆さん、ありがとうございました。
離れ・蔵の屋根・壁・地桁の修復工事
離れ・蔵の屋根の瓦葺きや壁の補修工事が進められています。
屋根のサラシ葺きでは古くなった銅板に代わって、銅板の色合いに似せたステンレス鋼板が取り付けられ、
野垂木に取り付けられた構造用合板と瓦桟の上に、新しい淡路土の古代いぶし瓦が美しく葺かれています。
また、蔵の土壁の補修も行われています。
古い漆喰を取り除いて、砂を混ぜた砂漆喰で下地調整を行っています。今後、段階を経て漆喰の仕上げ塗りをしていきます。
漆喰は防火性や調湿性に優れ、消石灰やスサに、つなぎとなるのりを混ぜて時間をかけて炊いて作るそうです。
離れの室内では、廊下の地桁(じげた)を取り付けるための準備が行われています。
地桁と柱の留めつけ部の仕口(しくち)の加工をしています。
古色が塗られ、完成した地桁が取り付けられました。
丁寧な作業が続けられています。
旧平賀邸に昭和初期製のラジオが寄贈されました
旧平賀邸を建てられた平賀義美氏が所蔵されていた昭和初期製のラジオを、ご親族の方から寄贈していただきました。
ラジオは、当時の大阪変圧器株式会社で製作されたヘルメスラジオで、1932~33年頃、約90年前に製作されたものです。本体とスピーカーが一体化した「ミゼット型」と呼ばれ、天部が丸くなっています。サイズは縦40.5センチ、横31センチ、奥行24.5センチで大きく感じられます。
旧平賀邸が建てられたのが1918(大正8)年。平賀義美氏がこのラジオを昭和初期に購入されて、自宅で使用されていたものと思われます。木製のレトロな雰囲気のラジオは平賀邸にとてもよく合っています。
棚の上にはステンドグラスがあり、背景はイギリスの「モダンデザインの父」といわれるウィリアム・モリスの壁紙です。来館された折は、書斎の棚に展示していますので、ぜひご覧ください。