2020年12月の記事一覧

あけましておめでとうございます

 令和2(2020)年が終わり、新しい年令和3(2021)年が始まります。昨年度、郷土館は新型コロナウィルス感染症の拡大やその防止のために、計画していた様々なイベントや講座などを残念ながら中止しました。そんな中でも、来館された多くの皆様に郷土館の良さを評価していただき、とても嬉しく、そしてありがたく思いました。
 依然として厳しい状況が続いていますが、早く平穏な日常を取り戻していけるように願い、そして感染防止対策を十分とりながら、様々なイベントや講座、展示を開催して皆様に楽しんでいただけるように努力してまいりたいと思っています。

 年始は1月5日(火曜)から開館しています。玄関や掲示板を新春仕様にして、お客様をお迎えしたいと思います。新しい年も、川西市郷土館をよろしくお願いいたします。

鉱山図屏風展

 12~1月は、須磨張り子展とともに、旧平安邸の母屋座敷にて鉱山図屏風展を開催しています。「鉱山図屏風」は、江戸時代から昭和の初めまで、銅の製錬を生業とされていた平安家に伝わる、六曲一双の、鉱山を題材にした立派な屏風です。
 井原西鶴の『日本永代蔵』には、婚礼の品として多田銀銅山の屏風を持たせたという話が載せられており、江戸時代に広まった題材のようです。ただし、平安家が多田銀銅山を描いたオリジナル品を発注したものか、一般的な鉱山を描いた既製品を購入したものかは定かではありません。

 左隻は鉱山での採掘の様子、右隻は鉱石の製錬の様子が描かれています。

 屏風絵は、鉱山で働く人たちの家や、間歩(坑道)に入っていく鉱夫、掘り出された鉱石を選ぶ作業を行う女性、指図する役人、鉱石などを運ぶ牛馬、鉱石を焼く焼窯、屋根に煙出しがついた吹屋での製錬の様子、カラミ(滓の鉱石)を谷に捨てる様子、硫黄分を含んだ煙で木が枯れてなくなっている山など、とても細かく丁寧に描かれています。
 描かれている人の数は何人いるでしょうか?屏風絵をご覧になって数えてみてください。鉱山図屏風展は、毎年、この時期に約1か月間展示して公開しています。

たくさんの張り子を展示しています

 昨日12日(土曜)から始まった須磨張り子展。
 2つの蔵展示室には、神戸市須磨にお住いの吉岡武徳さんが作られた、十二支や来年の干支の牛、神戸
だるま、アマビエ、クリスマス、節分、おひなさん、五月人形、異人さん、お相撲さん、ダンス、オーケストラなど、実にたくさんの様々な張り子を展示しています。

 昨日来館された方が「表情にユーモアがあり、見応えがありました」「愛らしい表情にいやされます」などの感想を寄せてくださいました。

 平安邸の母屋座敷では、張り子を作る過程を吉岡さんの妻の治子さんが表現された14枚の版画を展示しています。あわせてお楽しみください。

明日12日から「須磨張り子展」「鉱山図屏風展」開催

 明日12月12日(土曜)(当初は5日)から1月24日(日曜)まで、旧平安邸母屋座敷と蔵展示室で「須磨張り子展」「鉱山図屏風展」を開催します。
 「張り子」は、粘土で作った型に和紙を張り重ね、型抜きをして、彩色して作る郷土玩具で、和紙の特性を生かした伝統工芸です。「須磨張り子」は、神戸市の須磨にお住いの吉岡武徳さんが、張り子に魅せられて、1984年から自宅で作り始められた「創作張り子」です。

 郷土館では、吉岡さんがこれまでに制作されてきた様々な種類の、とてもたくさんの張り子をお借りして展示しています。やわらかな曲線で形作られた、ほっこり、かわいい「須磨張り子」の数々をご覧いただくと、きっと心がほっとして温かな気持ちになるのではないでしょうか。また、今年は武徳さんの妻治子さんが制作された、張り子を作る過程を表現した版画「紙から生まれた桃太郎」を14枚、座敷に展示しています。ぜひご覧になってください。

展示する張り子一覧

招き猫、来年の干支の牛、牛面、十二支、十二支面、神戸だるま、アマビエ、クリスマス、節分、おひなさん、五月人形、すもう、異人さん、文明開化、ダンス、花売り娘、オーケストラ

 また、「鉱山図屏風」は江戸時代のものと思われますが、昭和の初めまで多田銀銅山最後の銅の製錬場を営まれていた平安家に伝わる六曲一双の屏風です。平安家が多田銀銅山を描いたオリジナル品を発注したものか、一般的な鉱山を描いた既製品を購入したものかは定かではありませんが、屏風絵からは鉱山での採掘や製錬場のようす、働く多くの人々のようすが伝わってきます。じっくりご覧になってください。

能面展を終えて

 10月・11月に開催した、能面作家 水越保治さんの「能面展」が終了しました。最終日には、水越さんに来ていただいて説明等をお願いしていましたが、臨時休館でできなくなってしまい、申し訳ありませんでした。水越さんには、制作された12の素晴らしい能面を展示していただき、感謝しております。本当にありがとうございました。最後に、来館いただいた皆様の感想を要約したものを紹介させていただきます。

感想

  • 能面をじっくり見たのは初めてだったのでよかった。
  • 能面に興味が出てきて、見られてよかった。作るところを見たい。
  • 去年の能面制作の実演会を見に来たかった。能について勉強させていただいた。
  • 毎回来るたびに心が洗われる。
  • 能面の作り方、写真とかで説明を見て、とてもよく分かった。
  • 資料もたくさん見応えがあった。能面の保存状態がよく圧倒された。
  • 落ち着いて見ることができ、静かな異空間を愉しませていただいた。
  • 郷土に多くの芸術家の方々が居られるのを知ることが出来た。
  • 人間が心の中に持つさまざまな表情を表していると思う。見ていると心が落ち着く。
  • 歴史のある建造物の中で、秘めた感情が出ている能面を近くで見ることができて感慨深い。

美しい城山の紅葉

 郷土館は、臨時休館を終えて昨日8日(火曜)より開館しました。コロナウィルスの感染防止対策を十分とって、来館される皆様をお迎えしたいと思っています。来館される場合は、マスクの着用や手の消毒、三密を避けるなどの対策へのご協力をよろしくお願いいたします。
 今、郷土館の背景には紅葉で色づいた城山が美しく見えます。青空のもとでとても心が洗われるようです。今週末の12日(土曜)からは、「須磨張り子展」「鉱山図屏風展」を開催します。ちょっと寄り道でお立ち寄りください。