2023年12月の記事一覧

今年もありがとうございました

 今年もあとわずかとなりました。明日12月28日(木曜)~1月5日(金曜)まで休館となり、1月6日(土曜)から土曜・日曜・祝日は平賀邸とミューゼレスポアールを無料開放します。
 今日は、シルバー人材センターの皆さんが先日から3日間をかけて、平安邸の庭や

 ミューゼレスポアールへの通路のハナミズキやしだれ桜などの剪定をされ、とてもきれいになり、すっきりとしました。

 平安邸の庭は現在工事中で、秋まで見てもらえないのは残念ですが、ハナミズキやしだれ桜は春にはきっと美しく咲いてくれると思います。

 郷土館は10月より平安邸の耐震補強改修工事のため休館となり、イベント等も休止となっていますが、9月までは様々な企画展や講座、演奏会などのイベントを開催することができ、3,000人を越える皆さんに来館いただきました。本当にありがとうございました。

北蔵の屋根工事 銅板の裏は…

 先週から平安邸の主屋と離れの耐震工事と並行して、北蔵の屋根の修繕工事が行われています。

 屋根の頂上部分の棟には、雨漏りを防ぐために一番上に箱状の形をした「京箱」瓦が取り付けられていますが、その「京箱」瓦が取り外され、中に入っていた土や木材が取り除かれました。

 その後、屋根の棟瓦を一枚一枚はがして確認して汚れを落とし、元に戻していっています。破損している瓦は取り換えています。

 また、離れのひさしに取り付けられていた一文字葺きの銅板が外されています。銅板は長い年月の間に、銅が酸化した緑青(青みがちな緑色)になっていますが、

その裏を見てみると、当時のままの酸化していない鮮やかに輝く銅板が残っていました。

 主屋のひさしにも多くの銅板が付けられています。雨樋はすべて銅で作られています。
 明治、大正、昭和の初めまで銅の製錬を生業に繫栄していたことを象徴するように、当時の平安邸は銅板のひさしや銅の雨樋が輝いていたことが想像されます。

離れの耐震工事

 現在、旧平安邸の主屋の耐震工事と並行して、離れの耐震工事も行われています。
 離れは、重みで建物が歪み、廊下のガラス戸や部屋のふすま、障子戸が全く動かなくなっていました。また、雨戸がないため、雨漏りで廊下もシミがついて汚れていました。

 今回の工事では、縁側の廊下の板を外して床下の状態を確認しながら、建物の傾きを動かして歪みを直していくための準備をされているそうです。

取り外された廊下の板には、松材の継ぎ目なしの柾目取りの見事な床板が使われています。

廊下の角の部分の床板の組み方も手の込んだ職人技が見られます。

離れの屋根も瓦や土を取り除いて、新しく瓦拭きをする準備が行われています。

主屋の耐震工事

 

  現在、旧平安邸の主屋では耐震工事が行われています。金剛組の方が床板の一部を取り外してとても狭い床下に入り込んで、電灯で照らしながら柱や地固めに耐震リングの金具を取り付けられています。

 6部屋、畳45畳以上もある大きな主屋の床下に入り込んで、100以上の耐震リングの金具を付けていく作業はとても大変です。

 礎石の上に立つ柱や地固めには、すべて防腐や白アリ対策のための柿渋のようなものが塗られていて、当時のままの姿で残っているそうです。

 小屋組み内では、2階の床組みに柱と梁とを角材で補強して金具の耐震リングを取り付けられています。

主屋の1階の様子

青木大乗画伯の絵画を入れ替えました

 本日、ミューゼレスポアールで常設展示している、川西ゆかりの日本画家 青木大乗画伯の絵画を入れ替えました。
今回は、郷土館で販売している絵はがきにもある代表作5点や、

昭和23~24年、マッカーサーの依頼により制作された「日本百景」から8点の絵画を新たに展示しています。

 画伯の代表作「あらしに生きる」(原画の大きな屏風絵は現在ミューゼレスポアールで展示中)は、川西市役所の正面玄関を入っての左手突き当りの壁に、

代表作「白馬と童女」は中央図書館入り口正面の小壁に、それぞれ大きな陶板レプリカが設置されています。

 川西市史の表紙絵「りんどう」も画伯の絵です。

 現在、土・日曜日、祝日は平賀邸とミューゼレスポアールは入館料無料で開館しています。お立ち寄りください。

大きな鬼瓦が取り外されました

 本日、旧平安邸主屋の屋根の棟の両端に設置されている二つの大きな鬼瓦が、修繕のために取り外されてクレーン車で降ろされました。
 鬼瓦は厄除けや装飾が目的で備えられ、雨仕舞いの役割も果たし、大きな家では象徴的な存在になっています。

 数日前からのし瓦を除いて、鬼瓦を取り外す作業がされていました。

 今日はそれぞれ五つに解体された鬼瓦を、クレーンで順に降ろしていきました。

 波の模様が施され、とても大きく重い鬼瓦を、業者の方が元の形に組み合わせ、鉄の棒も差し込んで作っていかれました。

 取り外された鬼瓦は、新たに復元するために一度持ち出して制作されて設置されることになっています。