2020年8月の記事一覧

ミューゼ レスポアール(青木・平通両画伯記念館) アトリエ平通

 郷土館は広い敷地にさまざまな建物があります。旧平安邸を出て、旧平賀邸の横を歩いていくと、一番奥に平安製錬所跡と「ミューゼ レスポアール」という美術館があります。この美術館は、フランス語で「希望」を意味していて、川西市ゆかりの青木大乗画伯(日本画家)と平通武男画伯(洋画家)の両画伯の絵画を収蔵し、常設展示しています。
 建物は、鉄筋コンクリート造り2階建て、外観は文化の発展性と求心性をイメージしたモダンな渦巻き状の円形建築で、大正期の和風建築「平安邸」、洋風建築「平賀邸」と対比させています。

 2階の第1展示室や1階の第2展示室には、市に寄贈された青木画伯の「白馬と童女」「日本百景」など日本画、平通画伯の「踊り子」「スペインの思い出」など洋画を展示しています。

 また、1階の第2展示室では年間を通して、企画展や講座・講習会も開催しています(現在は、コロナの影響で開催できていません)。今は平通画伯の洋画を展示しています。

青木大乗画伯
 明治24年大阪市生まれ。昭和23年から川西市内に居住。洋画から日本画に転身、日本画壇に新風を引き込む。
◎現在の展示作品(第1展示室)
代表作「白馬と童女」「南瓜」「三匹のペンギン」「白富士」「芽」「ダンス」
「日本百景」・・・戦後間もない昭和23~24年にかけて各地を訪ね、描かれた秀作
「阿寒湖の紅葉」「妙義山」「箱根峠」「大和三山」「鳳凰堂」「秋の宮島」「出雲赤壁」「荒城の月」

平通武男画伯
 明治40年、豊能郡能勢町生まれ。洋画家。昭和23年から川西市内に居住。日展参与となる。力強い作風で知られている。
◎現在の展示作品(第1展示室)
「踊り子」「スペインの思い出」「3人の踊り子」「ノートルダム」「オンフルール港」「ベニスの運河」「ハイデルベルグの古城」「鏡の前」「ニューヨーク」「小雨けむるニューヨーク」

 また、平賀邸の前の庭、東屋の奥には「アトリエ平通」があります。

アトリエ平通
 平通武男画伯とご夫人の意向を受け、市内花屋敷にあったアトリエの土地・建物の売却額と遺品の寄贈が川西市にありました。それをもとにアトリエを郷土館に再現し、兵庫県産木材を使用した重ね梁工法を用いて建築されています。アトリエ内には、平通画伯の洋画や使用されていた遺品が展示されています。

 ミューゼ レスポアール、アトリエ平通ともに、冷房がありますので、ゆっくりご観覧ください。また、ミューゼの1階のロビーには、「マンホール展」開催の際に、披露された川西市水道局制作の新しい川西市のマンホールが展示してあります。あわせてご観覧ください。

8月 郷土館の夏

  長かった梅雨がようやく明けて、暑い夏がやってきました。7月は雨が続く中でしたが、市内の方だけでなく、京都や大阪、神戸方面など遠方からもお越しいただきました。また、「関西の建築遺産を訪ねる」という講座で、団体でも見学に来られました。お子さんとともに親子やグループで楽しく、興味を持って見学されている方もおられました。暑い日差しと、蝉の鳴く声が響く中、青空と白い雲、建物の日陰のもと、郷土館は静かにさまざまな風景を見せてくれています。
 なお、お越しになる場合は自動販売機が近くにありませんので、給水用の水分等をお持ちください。

旧平安邸

旧平賀邸

7月のからみちゃんガーデンの花です