郷土館日誌

主屋の棟瓦が新しく復元されています

4月の終わりに主屋の屋根の頂上部分に、新しく復元された鬼瓦が取り付けられ、5月に入って棟瓦が新しく復元されています。

屋根の頂上の結合部にある棟瓦は雨の影響を受けやすく、棟の下地に雨水が侵入しないように積まれており、大きな邸宅では象徴的存在にもなっています。

 (工事前の棟瓦)

工事では、まず大量に使用されていた古い棟瓦や葺き土、棟木がすべて取り除かれました。

そのあとに、密着性や防水性のある南蛮漆喰を塗り込みながら、短冊形の新しいのし瓦が積み上げられていきました。

のし瓦は、一列北側に54枚、南側に54枚、それぞれが銅線で結ばれて固定され、計108枚が一段に敷かれています。

また、塗り込んだ南蛮漆喰の中には水分が吸収されるように破損した瓦の破片を埋め込んでいます。

そして、のし瓦は雨水が侵入しても外に流れ出るように千鳥状に積まれていっています。

様々な工夫をされながら一段一段と積み上げられていき、14段という高さまで積み上げられました。

そして、合わせて長さ13mの樹脂製の棟木が中央に取り付けられました。

 

最後に冠瓦が被せられて、平安邸の新しい棟瓦が復元されていっています。美しく雄大な棟瓦はとても見応えがありました。