郷土館日誌
主屋の耐震工事
現在、旧平安邸の主屋では耐震工事が行われています。金剛組の方が床板の一部を取り外してとても狭い床下に入り込んで、電灯で照らしながら柱や地固めに耐震リングの金具を取り付けられています。
6部屋、畳45畳以上もある大きな主屋の床下に入り込んで、100以上の耐震リングの金具を付けていく作業はとても大変です。
礎石の上に立つ柱や地固めには、すべて防腐や白アリ対策のための柿渋のようなものが塗られていて、当時のままの姿で残っているそうです。
小屋組み内では、2階の床組みに柱と梁とを角材で補強して金具の耐震リングを取り付けられています。
主屋の1階の様子
青木大乗画伯の絵画を入れ替えました
本日、ミューゼレスポアールで常設展示している、川西ゆかりの日本画家 青木大乗画伯の絵画を入れ替えました。
今回は、郷土館で販売している絵はがきにもある代表作5点や、
昭和23~24年、マッカーサーの依頼により制作された「日本百景」から8点の絵画を新たに展示しています。
画伯の代表作「あらしに生きる」(原画の大きな屏風絵は現在ミューゼレスポアールで展示中)は、川西市役所の正面玄関を入っての左手突き当りの壁に、
代表作「白馬と童女」は中央図書館入り口正面の小壁に、それぞれ大きな陶板レプリカが設置されています。
川西市史の表紙絵「りんどう」も画伯の絵です。
現在、土・日曜日、祝日は平賀邸とミューゼレスポアールは入館料無料で開館しています。お立ち寄りください。
大きな鬼瓦が取り外されました
本日、旧平安邸主屋の屋根の棟の両端に設置されている二つの大きな鬼瓦が、修繕のために取り外されてクレーン車で降ろされました。
鬼瓦は厄除けや装飾が目的で備えられ、雨仕舞いの役割も果たし、大きな家では象徴的な存在になっています。
数日前からのし瓦を除いて、鬼瓦を取り外す作業がされていました。
今日はそれぞれ五つに解体された鬼瓦を、クレーンで順に降ろしていきました。
波の模様が施され、とても大きく重い鬼瓦を、業者の方が元の形に組み合わせ、鉄の棒も差し込んで作っていかれました。
取り外された鬼瓦は、新たに復元するために一度持ち出して制作されて設置されることになっています。
旧平安邸主屋の小屋組み工事の様子
先週から、旧平安邸の主屋の大きな屋根を構成する小屋組みの工事が行われています。小屋組みは公開していませんが、今回の工事で、金剛組の方に大正時代に建てられた平安邸の文化財としての価値を教えていただきましたので、郷土館日誌でお知らせしたいと思います。
工事は、床板を1枚1枚取り外して、構造用合板を用いて補強し、取り外した板を再度付けて復元していきます。並行して金物による耐震補強が行われます。
松やけやきの大黒柱がまっすぐ小屋組内まで突き抜け、大木を使った棟木や梁や桁、垂木などの骨組みに圧倒されます。
<松の大黒柱…柱の収縮と割れを防ぐ背割れが見られます>
板を外して見える1階の天井裏には、屋久杉の天井板を1枚1枚竹釘でつないで固定した跡や、当時の電気の配線が見られます。
また、上棟時に棟札とともに納められる扇車が小屋裏内にその当時のまま残されています。
金剛組の方は、小屋組み建築にたずさわられた方々の巧みな職人技と平安邸の文化財的価値にとても感心されていました。
11月のバラ・ハーブボランティア
本日11月のバラ・ハーブボランティアがありました。平賀邸周りの花壇で、雑草を抜いたり、クリスマスローズの株分けやアガパンサスの植え付け、柵を使ってトラノオの区画をしました。
ミューゼレスポアール前でも芝桜の植え付けを行いました。
春にはまた美しい花が咲いてくれたらと思います。ボランティアの皆さん、ありがとうございました。
離れの屋根の修繕工事
先日から離れの建物の屋根の修繕工事が行われています。離れの屋根の瓦をすべて取り外して、瓦の下にあった土もすべて取り除かれました。そこに新たに板敷を敷いて、新しい瓦を載せ、耐震補強をしていくとのことです。
老朽化が進んで動かなくなっていた大正時代のガラスの戸や障子、ふすまが動くようになっていくことになります。
平安邸 工事の足場完成 屋根・鬼瓦の修繕工事が始まります
平安邸の耐震補強修繕工事の足場作りがほぼ完成し、主屋・離れ・北蔵が足場とシートで覆われました。
昨日、金剛組の方とともに足場を登って工事が始まる屋根の部分を案内、説明していただきました。
主屋の屋根の大きさ、一番上に備え付けられた立派な鬼瓦、敷き詰められた瓦の多さ、銅で作られた雨樋、一文字葺きなどを間近に見ることができました。
来週から離れの瓦を外して土を取り除いたり、主屋や蔵の老朽化して破損した瓦を取り換えるなどの修繕工事が始まります。
主屋座敷も工事に備えて建具や電燈を外し、畳の上は養生をされています。
離れの建物に大屋根
旧平安邸の耐震補強改修工事は、離れや北蔵、主屋の中庭などに足場が次々と取り付けられ、離れの建物を覆う大屋根も設置されました。
大屋根は、老朽化が進む離れの建物の瓦をすべて外して屋根の修繕工事をするためです。これまで開かなかった離れ座敷の障子戸やふすまが開くようになるとのことです。
旧平安邸の耐震補強改修工事が始まっています
旧平安邸の耐震補強改修等の工事が始まりました。
この10月より来年の9月末頃まで、1年をかけて専用金物による柱や壁、小屋裏の耐震補強工事、屋根瓦葺きや樋、便所等の老朽改修工事が行われます。施工業者は、株式会社金剛組です。
<はなれ座敷の足場設置工事の様子>
<庭のもみじを大切に残しながら>
色づく郷土館
昨日、川西市立東谷中学校美術部の皆さんが、秋の郷土館を写生するために来館されました。
思い思いの場所で写生し、昼休みには旧平賀邸内部と、ミューゼレスポアールの絵画の見学を楽しんでいました。
これから一層深まりゆく秋の郷土館を、写生や写真撮影などでもお楽しみください。
旧平安邸の工事期間中は、土日祝日の朝10時から夕方4時半まで(入館は4時まで)どなたでも無料で旧平賀邸とミューゼレスポアールをご見学いただけます。団体見学を平日ご希望される場合は、トップページをご覧ください。