桜の花は、ほとんど散ってしまって若葉になりかけています。自ら散る花もあれば、先週末の春の嵐の中、激しい風雨に晒され散るものもあります。「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛)そのものでした。
桜の後のこの季節は、百花が咲き競うこととなります。校門周辺や校舎わきには、PTAの方や校務員さんが手入れしていただいた色とりどりの花が、観る者の目を楽しませてくれています。一方で、桜の切り株周辺には、タンポポが誰の手も借りず、自然のままに咲く小さな黄色の花びらを広げています。誰かに見られるためでなく、無心に花開く、ただそれのみ、潔さを感じます。人も見習いたいものです。すべてを受け入れ、あるがままの自分を完成させる凄さでもあります。
「置かれた場所で 咲きなさい」
どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。渡辺和子