校内掲示のポスター2つを紹介します。1つは川西市防火ポスターです。2年生、1年生で、それぞれ防火協会会長賞と佳作を受賞した作品です。「消しましょう　その火その時　その場所で」という標語をもとに製作されたものです。思い描いたものを形にして表現できる創作力によるポスターです。「防火は大切だな」とも見る者を惹きつける力を持っています。美術の授業で学んだレタリング、図案、配色、構図といったものがしっかり生かされた作品だと思いました。
　もう一つは、喫煙防止ポスターで学校に送付されてきたものです。このポスターのポイントはずばり言葉です。「ルールがあるから　自由になれる」一般には、「ルールがあるから　自由になれない」と考えるのが普通ですが、その反対の表現をしています。だから見た瞬間(読んだ瞬間）、頭の中に？が発生します。そこがこの言葉の最初の狙いで、次に「なぜ、この言葉が喫煙防止ポスターに表現してあるのか」「どんな意味があるのだろうか」・・と見る者に考えさせる機会を与えています。要するにインパクトあるポスターということでしょう。しかし、何らインパクトを受けない人がいることも事実です。
　私たちの身の回りには、言葉、写真、イラスト、絵画・・など視覚に入ってくる情報は本当に多種多様で、しかも莫大な量のものです。しかし、それらの中で、どれだけのものが、自分の中に留まり、長く、深く存在し続けているかと問われれば、ほとんどのものは、身体が透明なものであるかのごとく、すり抜けてしまってします。
　「明日はどうなのか、未来はどうなのか」と私たちの見る方向、関心を向けるものは、常に未来への希望、夢、目標、目的がほとんどだと言ってもいいでしょう。今、今日は、そのための手段、方法であって今日が目的にはなり得ません。だから、目の前の現実は通り過ぎるだけのものになっているのかもしれません。視覚だけによらず、自分の五感を通して感じたもの、気づいたものをしっかり受け止め、考えられる今日という時間を過ごさなければという思いを持ちました。

　「過去は　過ぎ去った　未来は　未だやって来ない　だから　今を生きる」