昨日、2年生で国語科の公開授業がありました。教材は「方言と共通語」です。生徒たちは当然「関西弁」という方言を日常生活で意識することなく話し、聞くことでコミュニケーションを図っています。授業では方言と共通語の違いを知り、また地方によってアクセントが違うことを学びました。
　「あなたはどこの出身？」と話し言葉(方言）を捉えて聞かれることがあります。子どもたちは今は、生まれ育った地域で生活しているのでそのような聞かれ方をすることはないでしょうが、将来、関西圏から生活の拠点が離れれば、そんな機会に出会うことになるでしょう。方言の良さを感じ、懐かしさ、安らぎ、親しみといったものを覚えるのは子供時代ではなく、大人になるずっと先のことかもしれません。方言は故郷を連想させるものです。いい思い出、そうでないものすべてを含めて昔の自分に立ち帰れる瞬間があるのです。IT化やインターネットの普及によって共通語と接する機会が全国どこにいても多くあり、逆に方言を聞くことはできても話せない若者が増えていると聞きます。
　生まれて最初に学び、身につけた言葉は方言です。それは生まれ育った地方文化の一つであり、自分のアイデンティティの一つでもあります。いつまでも大切にしておきたい自分史の一ページです。

　「文字では伝えられない　言霊である言葉」