卒業式は終わり、一か月後には、すでに入学式も終わっています。春はもうすでに、私たちの身の回りにやって来ているのでしょう。校内の桜の蕾は、まだしっかりと閉じていますが、その形、大きさは確実に成長し、開花への歩みを進めています。蕾は枝に支えられ、枝は太い幹に支えられ、大地に深く広く根差した根っこが、その木全体を支えているのです。卒業式の歌「大地讃頌」の母なる大地を連想させます。
花たちは、決して人に見られるために、褒めてもらうために咲いているのではなく、自然の摂理の中で、ただ一途に、無心に咲いているだけで、人の及ばぬ潔さを感じます。やがて百花が咲き競う季節がやってきます。見える花よりも、見えない根っこや大地に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
「花よりも 花を咲かせる 土になれ」