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2015/03/12
「縁を生かす」
| by
校長
第38回卒業式が終わり、151名の生徒が巣立っていきました。巣立つということは、前提に巣が在ってのこと、中学3年間の学校生活が子どもたちにとって、本当の巣であり得たか、自問自答しているところです。
人は、出会わないとさよならできません。卒業するということは、これまでに多くの人に出会ってきたということでもあります。人は出会いによって広まり、別れによって深まると言われています。その繰り返しが自分の生きる根っこを深くしてくれます。学校というものだけに限らず、卒業というものを繰り返す度に、出会った人は多くなってゆき、いろんな人との関わりを体験・経験していきます。しかし、今の社会では自己優先、自己利益の追求ばかりが目につき、相互扶助の心や人間関係調整能力といったものが育っているとは、甚だ疑問です。自己選択・自己決定・自己実現・自己責任と、すべてのものを個人に請け負わす社会は、どんなものなのでしょうか。
こんな文に出会いました。
「今の子どもは、周辺にモノは溢れているけれど人はいません。かっては逆でした。モノはなかったけれど人はいました。兄弟や祖父母、叔父・叔母、親戚、そして近所の人たちです。」
今も人はたくさんいます。出会ってもいます。でもつながらない、つながろうとしない関係の人が増えてしまったようです。
「小才は、縁に出あって縁に気づかず、中才は、縁に気づき縁を生かさず、大才は、袖すり合う縁をも生かす」
09:17
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