南側校門を入ってすぐ右に大きな木があります。ちょっと不思議な細工がされた大きな木です。
木の根元の中にコンクリートで固められた部分が見えています。大きな木は、その内部がいつの間にか腐り、空洞になっていくことがります。きっとその部分を補強するためにコンクリートで固めたのだろうと想像しています。あまりにも大きいので大胆に剪定されていますが、その名前は『センダン』と言います。校門の反対側のフェンス沿いにもさらに大きな『センダン』が立っています。
その幹を見ていた児童が「あ!」と発見してくれました。『ゴマダラカミキリ』が若い枝の根元をかじっているところでした。このカミキリムシ結構いろんな植物を食べたり木の中に産卵したりして木を弱らせる虫です。もしかすると『センダン』のコンクリート補強の原因かもしれません。でもきれいな虫です。赤飯の上にかけるゴマ塩のようにも見えます。
そしてここから子どもの好奇心と怖さとの葛藤が始まりました。つかみたい、でも怖い、でも触りたい、勇気を出してゆっくり触ろうとすると逃げていくカミキリムシ。そんなやり取りが数回続いた後、ついに初めて『ゴマダラカミキリ』の捕獲に成功したのでした。怖さを乗り越える勇気の獲得。これもまた子どもたちの大事な学びです。次の小さな勇気はいつ訪れるのでしょう。生きる楽しみの一つです。