先週から平安邸の主屋と離れの耐震工事と並行して、北蔵の屋根の修繕工事が行われています。
屋根の頂上部分の棟には、雨漏りを防ぐために一番上に箱状の形をした「京箱」瓦が取り付けられていますが、その「京箱」瓦が取り外され、中に入っていた土や木材が取り除かれました。
その後、屋根の棟瓦を一枚一枚はがして確認して汚れを落とし、元に戻していっています。破損している瓦は取り換えています。
また、離れのひさしに取り付けられていた
一文字葺きの銅板が外されています。銅板は長い年月の間に、銅が酸化した緑青(青みがちな緑色)になっていますが、
その裏を見てみると、当時のままの酸化していない鮮やかに輝く銅板が残っていました。
主屋のひさしにも多くの銅板が付けられています。雨樋はすべて銅で作られています。
明治、大正、昭和の初めまで銅の製錬を生業に繫栄していたことを象徴するように、当時の平安邸は銅板のひさしや銅の雨樋が輝いていたことが想像されます。