廊下を歩いていると、いつも元気に発表する声が聞こえてくる5年1組、4校時はとても静かに集中して作業に取り組んでいます。教科は家庭科、裁縫の実技を各自熱心に練習しています。さまざまな縫い方がプリントされた布に、針と糸を使って実習。担任の先生が子どもたち一人一人の作業に寄り添うようにしながら、ていねいに助言をしています。
「はーい、みんな、作業をやめてこちらに注目して!」と担任の先生が声をかけると、みんな手を止めて先生の話に聞き入っています。「裏から刺して表に針を出すときには、おおよその場所を予測してください。いちいち布をひっくり返していると危険ですよ。」子どもたちの作業から共通してみられる課題をわかりやすく解説。その後はまた各自で集中して作業に取りかかります。このあたりの作業の切り替えがさすがに高学年、集中力を切らさずに次の作業に進むことができています。
家庭科は生活力を身につける時間でもあります。見ているとやはり得意そうな児童と苦手そうな児童がそれぞれチラホラ見られます。生活の基盤をしっかり身につけることが、これからの学習に役立ってきます。一人暮らしをする多くの大学生の食事が、非常に偏ったものであったことが話題になったこともありました。
お金を出せば多くのことをやってもらえるようになった昨今だからこそ、自分自身で生活できる力を身につける必要がありますね。私たち大人自身の自戒の念も感じつつ、教室をあとにしました。