川西市立多田中学校
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2018/02/05

「早く、ちゃんと、きちんとしなさい」

| by こうちょう
 幼児を育てているお母さんへの調査で、どんな言葉を子どもによく言うかというものがあります。昭和以前(平成の時代も終わり間近です)とその後で増えてきたきたものがあります。今なら我々大人も自分の小さい頃によく言われていた言葉、親になってからも普通に我が子に言っていた言葉がそれです。「早く・・」「きちんと・・」「ちゃんと・・」です。おそらく命令、指示口調で「早く~しなさい」「きちんと~しなさい」「ちゃんと~しなさい」と使っていますが、昭和に入る前は、この言葉を言う親は少なかったそうです。なぜでしょう?産業構造の変化と共に子育ての言葉も変化してきたのです。第1次産業の割合が半数近くを占めていた頃には、そんな言葉は少なかったようです。農林水産業の割合が減り、第2次産業の隆盛につれて増えてきたようです。
 第1次産業は自然を相手にしたものです。米作りをしていて、お米に向かって「早く育て」「きちんと実れ」「ちゃんと根を張れ」などと言っても所詮無駄です。人間の時間軸ではなく、悠久なる自然の流れの中で人々は暮らしていました。漁師の人は魚が取れないからといって海に文句は言ったりしません。自然の力に任せるしかありませんでした。しかし、製造業では、はやく、きちんと、ちゃんとモノづくりをしなければ経営は成り立ちません。現在では1次産業は1%少し、残り30%は2次産業、ほとんどを3次産業、中でも情報産業が先端を走り続けています。IT化、AI化が進みます。モノづくりよりも金融、情報、物流といったもので成り立っているのが今の日本経済です。
 「早く」「きちんと」「ちゃんと」はモノづくりそして情報化社会にあっては最優先の言葉であって、生き物、人を育てる言葉ではないのですが、現在、求めるものは、さらなる「スピード」「効率」「コストパーフォーマンス」です。かっての人々はゆったりと流れる植物的な時間と共に生きる術を知っていましたが、その知恵を失い、今ではIT化された仮想現実的な時間の中で人は育てられ、生きています。人を育てる教育に「スピード」「効率」「コストパーフォーマンス」は相いれないものだと思います。

 「すぐに得たものは すぐに失う」
 「ゆっくり往くものは 遠くへ往ける」
11:53