中学生は、子ども?大人?それともその”中間人?” 心と体でそれぞれの成長の度合いも違うのでなかなか定義はできません。法律上は、民法、労働基準法、児童福祉法、少年法、公職選挙法などで中学生は、未成年、少年、青少年などのようにいろんな表現で呼ばれています。中学生はいつ”大人”になるのでしょうか。ある朝、目覚めたら昨日まで子どもであった自分が”大人”になっていたというものでもありません。法律上“大人”扱いされる年齢ははっきりしていますが、だからといって本人自身が“大人”であるとは言い切れない難しさがあります。
子どもを大人にする方法、それは「大人とはこういうものだ」という成熟したロールモデルを子どもたちに見せ、示すことです。保健室前にポスターが掲示してあります未成年への喫煙防止ポスターです。「
オトナのマネって コドモっぽいかも」というキャッチコピーです。以前のものは。「
大人のマネをしなくても 大人にはなれる」というものでした。とてもうまい表現だなと感心しました。喫煙というマイナス面をマネなくてもいいよと言っているものです。しかし、「大人のマネをしないと 大人にはなれない」と断言するポスターはできないものなのでしょうか。子どもたちが本当の意味での“大人”になれない、なりきれないのは「マネるべき大人」が身近にほとんどいないからなのではと思ってしまいます。大人の不祥事が連日のようにマスコミから報道されています。それを聞いた子どもたちは何を思うのでしょうか。
「大人のマネをしなくても 大人になれる」は、いつまでも子どものままであって、「大人のマネをしないと 大人になれない」社会こそが、真に子どもを大人へ成長させることができる成熟した社会だと思います。「子ども」のような大人以外見たことがない人がどうして「大人」になれるでしょうか。
中学生のみんなには、自分の師とする“大人”を見つけることができる力をつけてもらいたいと思います。子どもたちにとっていちばん身近な“大人”は親であり、教師です。
その責任は重いものがあります。
「親の言う通りにはならないが 親のする通りにはする」