今年の川西市インターネット・ケータイ利用に関するアンケート調査の報告を受けました。中学2年生を対象に行ったものですが、川西市では携帯電話の所有はほぼ7割の所有率で、そのほとんどがスマホです。メール,SNS、チャット等の利用が多く、電話よりもインターネット接続がほとんどです。1日の利用時間は3時間以上の生徒が20%もいるのが現状です。
内閣府の青年白書の調査によると、子どもたちの大切に思うことのトップは”友達がたくさんいること”だそうです。小学生の頃から”友達100人つくろう”と言われ、マスメディアからは”つながり”、”絆”などの言葉をよく見聞する昨今です。一人一人の友達の数は10年前に比べ大幅に増加しているようで特に”知り合い程度”の友達の伸びが顕著です。ケータイ・スマホで誰とでもつながれる環境がその後押しをしているようです。女子中高生のストレスは中高年のそれよりも高く、常に疲れやストレスを感じているという調査もありました。その対象は同級生との人間関係で勉強を凌ぐ多さとなっているようです。友達を多く持っている、知っている?ことで自分は孤立していないという安心感を得ようとしているようで、かっては限られた人間関係を嫌い、いかに”一匹狼”的なものになることを憧れていた時代もありましたが、制度に縛られない自由な人間関係を作れるようになり、”ぼっち”になることを常に気にかけ、敬遠するそんな子どもたちが見えてきます。
それらのつながりは深いものではなく、LINEの既読を気にし、Twitterの”いいね”で安心する程度のもので、常の誰かとつながっていないと不安であり、なおかつ自分が承認され続けなければならないもの、24時間常時接続し、互いに承認し合う承認願望のつながりであるかもしれません。一方で、自分だけは一人ぼっちになりたくないからと、メールを素早く既読し、返信する、そんなことにケータイ・スマホはめんどくさいものと感じる子どもたちが増えていることも事実です。
人は社会的な生き物であるから、支え支えられる関係が必要でそこには人とのつながりが生まれますが、人に自分がどう見られているか常に気にかけ、行動してばかりではストレスになってしまいます。本来の自分の生き方でなく、”他人の人生”を生きているようなものです。
孤立はいけないけれど、孤独は時として生きていく上で大切なもの。孤独に耐える力は生きる力の一つです。一人の時間を大切にし、自分を見つめる時間を持ち続けてほしいものです。
「内観 人は自分一人でいる時こそ、本当の意味で成長できる」