朝の冷えて澄み切った空気は凛としていて、肌に触れる空気は冷たく感じるものの心身ともに引き締まる感じがします。そういったこの時節、かの清少納言は「枕草子」の中で”冬はつとめて・・”と表現しています。今の時季は一日の中で早朝が一番趣きがあるということなのでしょう。
3年生の卒業アルバムに載せるクラス写真をここ数日撮影しています。この時間帯は気温も低く、”冬はつとめて”と言っても、集合写真のアルミ製の長椅子に座って体型を待っている女子生徒のみんなはとても寒そうにしています。クラス写真などの集合写真、家族で撮ったもの、友達とのショット、恋人とのツーショット・・自撮りに至るまで、いまはスマホで簡単に写真を撮ることができます。昔のようにフィルムを現像してではなく、デジタルなので写したその場で写り具合を確認でき、とても便利になりました。写真屋さんもすぐに確認されていました。
自分以外の人と一緒に撮った写真の中で、あなたは誰を一番に見ますか、そうです自分です。多くの人の集合写真ならば、どこに自分がいるのか一番に探しています。これは意識することなく、無意識にそうしている自分なのです。家族、兄弟姉妹、恋人、友達・・親しい人との写真でもまずは自分がどう写っているかが最優先、いかに私たちが「自分が一番かわいい、大切」自己中心的であるか知らされる瞬間です。これはなかなか変えることはできませんが、「また、自分を真っ先に見てしまったな」と気づくだけでも、なんとなくおかしく思ってしまいます。
「人は たった一人の人に出会うために生まれてきた それは自分自身」