1学期の終業式を迎えました。今日も全校児童が一か所に集まって集会をすることはできないので、校内放送を使って行いました。子どもたちには次のようなことを話しました。
「今日で1学期が終わります。明日から夏休みです。楽しみですね。
さて、この1学期に校長先生がみなさんに始業式や運動会や児童朝会でお話ししたことが、二つあります。覚えていますか?一つは、『ばら二本』の話です。『ばら二本 一本は花大にして 一本は小 大 大を誇らず 小 小なるを恥じず 力の限り 咲けるが美し』人には得意なこともあれば、苦手なこともあります。得意なことがあるからといってそのことを自慢するのではなく、苦手なことがあるからといってそのことを恥ずかしがることもありません。なぜなら、この桜が丘小学校には、一生懸命頑張っている人を責めたり、笑ったりする人は誰もいないからです。だから、得意なことでも苦手なことでも一生懸命にやることが何よりも大切だというお話をしました。このことは、2学期になっても、3学期になっても、この学校にこの校長先生がいる間は、ずっとお話しをしようと思っています。
二つ目は、廊下は右側を歩こうというお話です。これは、桜が丘小学校3つの約束のうちの一つでしたね。廊下を走る人が減ってきたこと、そして走っている人を注意できる人が増えてきたことはとても嬉しいことだということもお話ししました。覚えていますか。でもね、1学期が終わろうとしているのに、まだ廊下を走る音が校舎の中から消えないことを、校長先生はとても心配しています。
校長先生はね、この1学期のあいだ、なぜ、みなさんの中に廊下を走る人がいるのか、注意深く観察していました。廊下を走る理由は二つにしぼられます。それはね、急いでいるか、遊んでいるかのどちらかです。早く遊びに行きたい、次の勉強に遅れてしまう、廊下や教室で鬼ごっこをしていて鬼から逃げるためについつい走ってしまうのです。そして、この人たちに同じように言えることが一つあります。それはね、周りがよく見えていないということです。走るその先に、自分のやりたいことが待っているのですから無理もありませんね。廊下を走っていてつまずいて転んだり、人や物にぶつかったりするのは、このためです。周りがよく見えていないのです。
でもね、本当にそれでいいのでしょうか。明日からみなさんが生活するのは、学校ではなく、お家や地域です。学校の廊下には、自転車もいなければ、バイクもいません。自動車もいなければ、トラックやバスも走っていません。でも、みなさんが過ごすおうちの周りの道路には、車もバイクもいっぱいです。学校の廊下とはわけが違うのです。周りのことに注意を払うことができないと、いったいどんなことになってしまうのでしょう。他にも、どんどん暑くなるので熱中症になる心配も出てきます。今まで晴れていたのに急に雷が鳴り出すことだってあるかもしれません。そう考えると、みなさんの身の回りには危険がいっぱいあるのです。しかし、水分補給をしましょう、雷が鳴るから安全な場所に入りなさいと言ってくれる先生は、夏休みの間は、みなさんのすぐそばにはいないのです。お家の人だって、お仕事に行ってずっと一緒にはいられないかもしれません。
夏休みの間、一歩も外に出ずにいられますか?そんなのいやですよね。友だちとも遊びたいし、公園や図書館にも行きたいでしょう。そのためには、危険から身を守る力を身につけておく必要があります。先生やおうちの人に怒られるからではなく、なぜ、してはいけないのか、なぜ、守らなければならないのか、その理由を自分で考えて行動することが大切なのです。そのことをみなさんにわかってほしくて、夏休みに入るまでに、廊下は右側を歩くということを、みんなが守るようにしたかったのです。みんなが、自分のことや友だちのことを大切にするにはどうしたらいいかを考える練習がしたかったのです。明日からは、練習ではありませんよ。本番です。自分の命は自分で守る。命より大切なものはありません。どうか元気に、安全に、楽しい夏休みを過ごしてくださいね。2学期にまたあいましょう。」
終業式の後は、夏休みのくらしや宿題について話があり、通知表「あゆみ」を担任から一人一人に渡しました。1年生は初めての「あゆみ」にドキドキ。「さんすうがんばったね」「おんどくがんばったね」と声をかけてもらうと、大きくうなずいて自分の席に戻っていきました。
明日から8月26日(木)まで37日間の夏休みです。新型コロナの感染予防に努めながらの休みになりますので、制限されることも多いでしょうが、たくさんの経験をして、8月27日(金)に元気に登校してほしいと思います。よい夏休みを。
最後に、1学期間子どもたちを支えてくださった保護者・地域の皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。